■一般用語(50音順)
アーカニアン
ロムール帝国創業時の宿敵。太古の昔には、ロムールの先祖を南から現在の宙域に追い出したと言う説もある。
共感能力など、現代人からすると不可思議と思える力を持つ。
SS
騎士の使用する武具。英字なのか、実際の綴りは謎。読者が読むときの読みは”エスエス”。
遠近両用で、大抵は近接戦闘武器兼ビームを射出する銃として使用される。近接戦闘武器としては、ビームソード型(ソーサル・ソード)と槍型(ソーサル・スピア)が一般的。
エーテル
ファンタジー寄りのSFでおなじみの架空の元素。
SSも機龍もこの元素で動いている。
銀河の中心部や外縁部で薄く、河南(文明の栄えてる宙域のやや外側)で濃いのが謎だが、かつてあった生命――昔の霊魂が変性しているのではないかと言う説がある。
現代でも「幽霊が実在するなら、時代が下るほど幽霊が増えてしまうのではないか」と言われるが、この世界では幽霊たちはエーテルと言う資源になって活用されているのかもしれない。
Mフォン、Mパッド
現代で言うところのスマートフォンとタブレット。
カタナ
鉄の剣。SS粒子をすり抜ける性質を利用して、敵のシールドを破るのに有効。
そのため、騎士の部隊にカタナの使い手(サムライ)を少数入れるケースがある。
では、鉄の武装と鉄の弾のみで戦えばいいかとなるが、不便だったり電磁兵器に弱いなどのジャンケン関係があると思われる。
少なくとも、鉄の杭であるパイルバンカーは、機龍のシールドを破るのに有効である。
河東、河西、河南、河北
銀河の東西南北が語源。
ただし、実際の用法としてはロムール帝国内の東西南北になっており、例えば帝国領より北の宙域は「北域」と呼ばれているし、
ドーマ帝国がある辺りは、西外域と呼ばれている。
騎士
ロムール帝国はじめ、いくつかの王制の国家から叙勲された特権階級の戦士。
ロムール帝国の場合は、
1.士官学校卒業後、格別の武勲を上げる。(その事で審査対象となる)
2.士官学校卒業後、SSを使ったトーナメントで好成績を収める。(その事で審査対象となる)
等で騎士となれるが、作中の時代には1のケースはほとんどない。
感覚的には、騎士になると言うのはメジャーリーガーになるかプロテニスでランキング100位以内に入るくらいの夢。
戦闘エリートとしての訓練は受けているが、本作開始の時点では大きな戦争はなく、騎士も形骸化していて、その強さはピンキリ。
なお、士官として役人になるだけなら、
・士官学校を優秀な成績で卒業し、審査に通る。
・防衛大学校卒業
等で可能。
騎士(士官)の生活
騎士となった後は、以下のようにして生活収入を得る。
・本人も自覚していないような領地から、最低限の給金が得られる。が、さすがにそれだけでは生活できない。
また騎士は、一朝事あらば、帝国の命令に従って、従軍などの任務を引き受けなければいけない。上記の手当ては、この前提で支払われている。
・軍属。しかし、巨大な常備軍をずっと保持するのは困難なので、多くは予備役(上で挙げた最低限の収入のみ)となり、別の仕事に就くことになる。
・国家公務員。警察組織が主。
・民間から帝国に上がって来る依頼を引き受ける「クエスト」をこなす。
騎竜・機龍(ドラグーン)
宇宙でも地上でも推進可能と言うデタラメな能力を持つ騎士の乗り物。
大抵は「空飛ぶバイク」のような形をしているが、ディスティナの「スレイプニル」のような大型車もある。
特殊な装備を付ければ、大気圏突入も可能。
半生命なので、小さな傷は自動修復。
宇宙で戦ったり、ゲートを通過できるのは、「シールド」を張れることによる。
シールドは数台でフォーメーションを組むことでより強力になる(一台で展開すべき面積が少なくてすむため)
表記は騎竜/機龍とあるが、前者は乗騎として扱っている時、後者はメカを指す場合で何となく使い分けている。
読みはドラグーンだが、作者は結局「きりゅう」と読んでいる。
作中で「シフト3」などの用語が出てくる。車・バイクのシフトチェンジにも通じるが、もっと大きな単位で、目安は以下。
シフト1:街中でのんびり走る。
シフト2:街中を高速で走る。
シフト3:高速道路や水上など、障害物のないところを走る。降下作戦では、シフト3〜4を使用。
シフト4:宇宙空間用モード。戦闘時や障害物の多い場所。
シフト5:宇宙空間でも障害物が少ないところで使用。
シフト6:恒星系外で使用。例えば、ゲートを抜けた後最も近い恒星系に辿り着くまでに使用。
ゲート
作中の恒星間移動を可能にする重要な設備。
天然の空間歪曲点を加工し、安定させ、ワープ機能を備えていない艦艇や騎竜でも、ある空間から遠く離れた空間に跳躍させてくれる。
サムライ
カタナを使用する戦士。かつては東に多くいた。
士官学校
銀河帝国を支える文武に優れた士官を育てるための学校。
年齢的には、地球で言うところの16歳程度の若者が入学する。(つまり日本の高校より一年ズレがある)
その生徒は帝国の直轄領の出身だけではなく、周辺諸国から学生を受け入れ、帝国への忠誠心を養う役割もある。
周辺諸国でも、次男・三男を士官学校に送り込み、帝国との繋がりや地位を求める傾向が一定程度ある。
卒業しても必ずしも軍属となる訳ではなく、総合大学に進学して民間企業に就職する者もいれば、特にこの時代は役人になる事が多い。
主人公が第四士官学校に入学したのも、そんな背景がある。
宙理天心流
ユキツナ・スワが創始し、銀河で最も広まっている剣法。
強くなり敵を倒す事より、宇宙と一体化する事を究極目標とし、精神修養を重視する。
通信技術
光速を越えた通信が可能ないわゆるアンシブルの技術は確立されている。
ただし、そのためには基地局が必要で、戦時に基地が閉鎖されると、途端に原始的な伝令が必要になってしまう。
東西南北
円盤上の銀河を上(どちらが上かはさておき、垂直方向)から見て、上下左右を北南西東と呼んでいる。
北は、ロムール帝国のとある星から見て銀河の中心部の方向を真北としている。
東夷、北狄、南蛮、西戎
帝国の外縁部にいる異民族がそのように呼ばれている。
元は差別的な意味が強かったが、作中の時代では気にしない人は気にしない。
特に、帝国との繋がりが弱ければ、何と言われようと気にならない物だろう。
また、ドーマ帝国はロムール帝国の西にあるが、西戎とは呼ばれていない。
東夷:主人公が暮らしている宙域の人種。かつては北狄と組んで帝国と戦ったが、破れ従属国となっている。
北狄:ディスティナ等の人種。現代の我々から見ると犬や獣ぽい。混血が進んでいるので、その形質上の獣っぽさは段階的。
南蛮:見た目上は帝国の臣民と余り変わらない(皇帝一族も元は南から出ている)が、特異な超能力を持っていたり、気質が異なる。気性が荒い者が多い。
また、西南にはエフィメラやリックのような特異な形質の民もいる。
政治的には帝国の領域内に収まっているが、精神的には支配できているとはいいがたい。
西戎:現代の我々から見ると爬虫類ぽい形質。名目上帝国の領域内に収まっているが、小さな戦乱が絶えない。
北洋連合
ドーマ帝国の北にある諸国家の連合体。
要救護チャンネル
要救護者の情報を登録すれば、官民(もちろん士官学校生も)ともに確認できる開かれたチャンネル。情報が逐次更新されるので、救護の重複も避けられ、誤った情報の訂正なども速やかに行われる。
非常時には、少なくとも現在のX(旧Twitter)よりは信頼できる。
霊道術
エーテルの力を器機に頼らず引き出す、魔法のような術。
実際西の諸国では、同様の技術を「魔法」と呼んでいる。
■国家
セラーン
ロムール帝国創業の功臣に与えられた東の公国。内部人事においては実力主義であり、帝国内の国の中では現在最も勢いがある。
ゼクセリア
ロムール帝国の同盟国。実質従属国だが、西のドーマ帝国とも国境を接する重要な国のため、敬意とともに同盟国扱いされている。民族的には西方の諸民族に近い。
気風は質実剛健。余り冗談が通じない。
ロムール帝国
銀河の文明圏の大半を支配している帝国。ちなみに、ロムールは「ロム族の地」を意味する”ロム・ウル”から来ている。
ドーマ帝国
ロムール帝国の西に存在するもう一つの帝国。
帝国と言っても純粋な専制国家ではなく、元老院の力が強く、内実は民主国家に近い。
トバール侯国
ロムール帝国の一侯国。ドーマやゼクセリアと国境を接する重要な侯国。
■惑星都市
クアト
主人公の士官学校(帝立第四士官学校)が存在する、本作の主要な舞台となる惑星。
北都カラストラム
ロムール帝国の北の都。
東都ツァオトストラム
ロムール帝国の東の都。本作ではほとんど出てこないが、その栄え方は西都をしのぎ、実質の首都とすら言える。
幾つかの行政機関はこちらにある。
西都パイロストラム
ロムール帝国の西の都にして首都。
南都ホウラストラム
ロムール帝国の南の都。
トゥーパール
本作の主要人物、ミッキ・ラッツァの故郷である辺境の惑星。
ソルビア
ミッキ・ラッツァの親族、アーカニア大公家の星。
■単位
テール
長さの単位。1テール=ほぼ1メートル
カラテール
長さの単位。1カラテール=約1キロメートル
オウル
時間の単位。1オウル=約1時間
ミーツ
時間の単位。1ミーツ=約1分